【リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s – 1970s】国立新美術館

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けんちくみならい
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令和7年4月に東京都港区の六本木にある「国立新美術館」に行ってきました。

国立新美術館では2025年3月19日〜6月30日の会期で「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s – 1970s」が開催中。

展覧会の様子を12枚の写真と併せて紹介していきます。

※この記事の内容は2025年4月時点のものとなります。


リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s – 1970s

1920年代から70年代にかけて建築家たちが設計した、革新的な戸建て住宅にフォーカスした展覧会。

機能的で快適な住まいを探求した、建築家たちのアイディアが詰まった住宅建築が、模型や原寸大のモデルとともに紹介されています。

展覧会概要

所在地  : 東京都港区六本木7-22-2

展覧会名 : リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s – 1970s

会期   : 2025年3月19日 〜 6月30日

開館時間 : 10:00 〜 18:00

休館日  : 火曜日

入場料  : 1,800円

※詳細は公式サイトをご覧ください


20世紀を代表するモダンハウスとその模型たち

ルイス・カーン設計の「フィッシャー邸」

「リビングキューブ」と「スリーピングキューブ」という2つの箱が45°の傾きで合わさった住宅です。

ベンチと一体となった窓などさまざまな窓が設けられている。


リナ・ボ・バルディ設計の「カサ・デ・ヴィドロ」

傾斜した地形を活用し、建物を浮かせることで周囲の木々と目線が揃うよう設計された住宅です。

周囲の植物は建築家自らの手で植えらている。


ジャン・プルーヴェ設計の「ナンシーの家」

レンガや鉄骨など工場で余った資材を使って建てられたセルフビルドの住宅です

プレハブとモジュールの考え方をもとに計画され、工期も短期間で建てられている。


エーロ・サーリネン設計の「ミラー邸」

3×3の9つのグリッドに分けられ、そこから見える庭の景色やエリア毎の雰囲気に合わせて家具が選定された住宅です。

アレクサンダー・ジラードのテキスタイル、ダン・カイリーによるランドスケープが建築を彩る。


アルヴァ・アアルト設計の「ムーラッツァロの実験住宅」

実験住宅と名付けられているように、さまざまな種類のレンガやタイルが使用された住宅です。

周辺の自然に佇むようにあり、サウナ小屋やボート小屋が周囲に点在している。


藤井厚二設計の「聴竹居」

日本の気候風土に合わせ自然の力を活用したさまざまな工夫が施された住宅です。

高温多湿の日本の夏を基準に、風通しや採光の確保などが考えられている。


菊竹清訓設計の「スカイハウス」

ライフスタイルに合わせて変化することが可能な、空中に浮かぶような見た目の住宅です。

可変可能な水回りや子供部屋を設け、「ムーブネット」という概念が取り入れられている。


フランク・ゲーリー設計の「ゲーリー邸」

さまざまな種類の資材を組み合わせ、既存のバンガローを再構築した住宅で

トタンやチェーンリンクフェンス、合板などの安い資材が使われ、これまでにない建築となっている。


けんちくみならい
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現代の住宅建築の礎を作った14の住宅にフォーカスし、それぞれの特徴に加え、7つの観点(衛生、素材、窓、キッチン、調度、メディア、ランドスケープ)から展示が構成されています。

世界各地にある名作住宅が模型と共に紹介されていて、とても見応えがありました。


ミース・ファン・デル・ローエの未完の住宅プロジェクト

2階には無料で観覧できる「ミース・ファン・デル・ローエ ローハウス 原寸大展示」があります。


建築界の巨匠であるミースの住宅を原寸大で体感できる展示。

周囲から囲い込まれたような中庭のある住宅が再現されています。


中庭(とされる空間)から室内を見た様子。

中庭の床は室内に使用されたものと同じものが使われ、内外の連続性が意図されています。


柱は十字の形状をしていて、鏡面の仕上げが周囲の景色を写し出すようデザインされている。


室内にはミースがデザインした家具が置かれ、一部を除き座ることもできます。

当時の住空間が体験できるように、家具配置がされているそうです。


また、別のエリアでは「リビング・モダニティ today」として、名作家具に座れる展示もありました。

「カリモクケース」や「カールハンセン&サン」などの名だたる企業が出展されています。

けんちくみならい
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2階の展示スペースには無料で観覧できるエリアが設けられていて、ミースの「ロー・ハウス」の原寸大展示と、企業が名作家具を出典しているエリアがありました。

無料とは思えない展示なので、近くに訪れる予定がある人は、この展示だけでも観る価値があると思います。


アクセスマップ

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以上で、国立新美術館で行われている「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s – 1970s」を紹介しました。

建築家によって考えられた、住まいの在り方を変えるさまざまなアイデアが一度に見れる展覧会。

模型や原寸大のモデルもあり、見応えのある内容となっていました。

2階の展示スペースには、無料で観ることができるエリアもあるので、気になる方はぜひ訪れてみてください。(兵庫県立美術館にも巡回するようです)


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