【周囲の景色を淡く反射する地域に開かれた美術館】すみだ北斎美術館 / 妹島和世

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けんちくみならい
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令和7年4月に東京都墨田区の両国にある「すみだ北斎美術館」に行ってきました。

建築家の妹島和世さんによる設計で、周囲の景色を淡く反射する地域に開かれた美術館です。

建築の特徴と実際に訪れた際の記録を12枚の写真と併せて紹介していきます。

※この記事の内容は2025年4月時点のものとなります。


周囲の景色を淡く反射する地域に開かれた美術館

施設概要

所在地  : 東京都墨田区亀沢2-7-2

主要用途 : 美術館

設計 : 妹島和世建築設計事務所

竣工 : 20016年11月

営業時間 : 9:30 〜 17:30

休業日  : 月曜日

※詳細は公式サイトをご覧ください


アルミパネルの外装と切り込まれたようなスリットが特徴的な外観

正面から建物を見た様子。

建物の前面には桜の木に囲われた公園が面してある立地で、春に訪れると写真のように桜が咲く華やかな雰囲気を感じることができます。

アルミパネルの外装にうっすらとピンクが反射し、建物の表情も柔らかい雰囲気になっていました。


外装はアルマイト処理されたアルミパネルによって覆われています。

また、場所によって異なる傾斜が付いていて、淡く反射する景色もそれぞれ別の表情を作り出していました。


建物はJR線の沿道にありますが、4方向に面した敷地にあります。

その4方向それぞれから、スリットにアクセスすることができるアプローチを持っていました。

建物は美術館だけではなく、図書室や講座室といった用途も持ち、地域活動の拠点にもなっています。


南西側から建物を見た様子。

複数のボリュームが合わさった形状をしていて、下町の複雑な街並みに馴染む建築となっています。

けんちくみならい
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電車の中からも目立つ外観で、一目でわかる地域のランドマークのような建築。

外装の「アルミパネル」と切り裂かれたような「スリット」がファサードの特徴で、印象的な見た目を作り出しています。

訪れてみると意外と派手さは感じなく、下町の雰囲気に馴染むような建築でした。


スリットに入ると万華鏡のような内部空間が広がる

外部からエントランス付近を見た様子。

さまざまな角度の壁面が集まって、複雑な空間を作り出しています。


スリット内部から外部を見た様子。

ガラスに反射した景色が、万華鏡を覗いたような煌びやかな景色を作り出していました。


スリットは中で繋がっていて、それぞれの方向に通り抜けることができます。

内部はガラスやアルミパネルに反射した光が差し込み、閉じた印象を感じない空間となっていました。


けんちくみならい
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4方向に設けられたスリットから建物内部にアクセスでき、表裏のない建築になっています。

そのスリットから見る景色は万華鏡のような景色を作り出していて、巡っていて楽しい空間でした。

1階のスリット内部やエントランスホールには、反射した光が差し込み開放的な場所になっています。


スリットからは東京スカイツリーが覗く

3階と4階が展示空間となっているため、壁面の多くは閉じられています。

その壁面の一部に設けられているスリットからは、東京スカイツリーや地域の様子を見ることができました。


また、スリット状の開口部はエキスパンドメタルによって覆われていて、外から差し込む光が柔らかくなるよう調節されています。


けんちくみならい
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3階と4階は展示空間となっていて、その壁面の多くが閉じられています。

ホワイエ空間に僅かに設けられているスリットからは、外の景色を見ることができ、スカイツリーを望むことができました。


アクセスマップ

けんちくみならい
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以上で、建築家の妹島和世さん設計による「すみだ北斎美術館」を紹介しました。

すみだ北斎美術館は、東京の両国にあるアルミパネルスリットによるファサードが特徴的な建築です。

一見派手な見た目ですが、アルミパネルが周囲の景色を反射し、下町に馴染むボリュームと形状によって街並みに馴染む美術館となっています。

浮世絵師の葛飾北斎の作品が保存・展示されている施設なので、日本の文化を感じることができます。

とてもおすすめの施設なので、皆さんもぜひ訪れてみてください。


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