【100年の歴史を継承する煉瓦組積造の美術館】弘前れんが倉庫美術館 / 田根 剛

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けんちくみならい
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令和4年10月に青森県弘前市にある「弘前れんが倉庫美術館」に行ってきました。

建築家の田根剛さんによる設計で100年以上の歴史を持つ煉瓦組積造の美術館です。

建築の特徴と実際に訪れた際の記録を12枚の写真と併せて紹介していきます。

掲載している写真はクリック(スマホはダブルタップ)すると拡大できます。コメント付きなので、記事の内容と併せてご覧ください。

※この記事の内容は2022年10月時点のものとなります


記憶の継承をコンセプトに誕生した美術館

施設概要

所在地  : 青森県弘前市吉野町2-1

主要用途 : 美術館

設計 : Atelier Tsuyoshi Tane Architects

開館時間 : 9:00~17:00

休館日 : 火曜日

※詳細は公式サイトをご覧ください

けんちくみならい
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1907年にシードルの製造工場として建てられ、その後、倉庫として活用されていた煉瓦組積造の建物を改修して誕生した「弘前れんが倉庫美術館」

100年以上の歴史を持つ既存の煉瓦を修復するだけでなく、新しい使い方を発掘し、未来へと継承する「延築」実践されています。

既存の漆喰を剥がしオリジナルの煉瓦を表出させたり、既存の煉瓦の素性を分析・再現する技術が駆使されています。

屋根は日本で最初のシードル製造工場であった記憶を継承するために、シードルゴールドの金属屋根に改修されています。


煉瓦で作られる内部空間には

けんちくみならい
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エントランスのアーチ部分は、新設された部分で、互い違いに煉瓦を積む「弘前積みレンガ工法」と命名されたドーム形状。

かまくらのようなドームと弘前出身のアーティストである奈良美智さんの「A to Z Memorial Dog」が、来館者を暖かく迎え入れてくれます。

内部は既存の煉瓦壁やヘリンボーンのレンガ床で構成され、赤い煉瓦による空間が広がっていました。


既存の材料を活用した展示空間たち

けんちくみならい
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展示室の中で印象的だったのは、鉄骨の小屋組と既存の古いコールタール塗りの壁が作る黒い展示空間。

コールタールは毒性や作品への影響を調査したうえで残置しているそうです。

対照的な白い展示空間もコントラストを演出していて、巡っていて楽しい美術館でした。


アクセスマップ

けんちくみならい
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弘前駅から徒歩約20分の立地にある美術館。

100年以上の歴史を持つ煉瓦組積造の倉庫を「延築」することで、とても魅力的な建築となっていました。

弘前といえば、日本近代建築の巨匠である前川國男さんの建築有名なので、こちらの美術館と併せて巡るのがおすすめ。

気になる方はぜひ一度訪れて見てください。