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令和6年11月に愛知県の豊田市にある豊田市博物館に行ってきました。
建築家の坂茂さんによる設計で木材による天井のパターンが特徴の建築です。
建築の特徴と実際に訪れた際の記録を22枚の写真と併せて紹介していきます。
掲載している写真はクリック(スマホはダブルタップ)すると拡大できます。コメント付きなので、記事の内容と併せてご覧ください。
※この記事の内容は2024年11月時点のものとなります
美術館と対称的な有機的なファサードデザイン
所在地 : 愛知県豊田市小坂本町5丁目80
主要用途 : 博物館
設計 : 坂茂建築設計
開館時間 : 10:00 ~ 17:30
休館日 : 月曜日
※詳細は公式サイトをご覧ください
豊田市博物館は豊田市美術館に隣接した立地にあり、金属とガラスを使ったモダニズム建築の美術館に対し、博物館は有機的な木材を多く使ったファサードデザインとなっています。
また、屋根の梁は市章をモチーフにした構造パターンとなっていて、開口部分に光が差し込むと、床に市章の影が落ちる設計。
正面から見るとガルバリウム鋼板の楕円のボリュームが並んでいて、ここにもコントラストが見られます。
博物館と美術館を繋ぐ一体的なランドスケープ
ランドスケープデザインは豊田市美術館も手掛けているアメリカのピーター・ウォーカー事務所によるもので、美術館と一体的なデザインとなっています。
建築のボリュームも美術館を意識して考えられていて、丘の上にある立地を活かした構成に。
敷地には元々高校があり、美術館との間には高い常緑樹がありましたが、それがなくなり美術館と一体的なランドスケープとなっています。
木梁の構造パターンが印象的な内部空間をつくる
内部に入ると、屋外から続く木梁の構造パターンが印象的な内部空間を創っています。
90mにも及ぶ大空間は「えんにち空間」と呼ばれ、様々な展示やイベントが行われるスペース。
木が林立し、枝が茂る森のような空間となっていて、有機的な空間を感じることができます。
楕円の形状がつくる常設展示室と図書コーナー
楕円形のボリュームには常設展示室があり、中心にガラスのディスプレイがあります。
常設展示室には過去の庶民が使っていた、日用品や豊田市にゆかりのあるものが展示されていて、懐かしさや過去を感じる内容。
外周にはスロープが巡らされていて、回遊しながら展示や外の景色を見ることができ、スロープを上がりきると、図書コーナーのスペースがあります。
建物内にあるカフェは紙管で包まれるような空間に
建物内には「カフェ 888mitsubachi」というカフェがあり、坂茂さん特有の紙管がふんだんに使われています。
テーブルや椅子はもちろんのこと、天井や壁まで紙管になっていました。
コーヒーとポテトを美味しくいただきました。
(おまけ)敷地内にある歴史を感じる屋外展示
敷地内には屋外展示として、過去の建物を体験することができる3つの施設があります。
江戸時代に建てられた「むかしの家」、明治時代に建てられた「土蔵」、直径10mの古墳の「樫尾1号墳」があり、ランドスケープに馴染むように配置されています。
アクセスマップ
豊田市駅から徒歩15分の立地にある博物館。
敷地内には豊田市博物館のほか、谷口吉生さんが設計された数寄屋建築である「童子苑」や日本で一番美しい美術館の一つと言われる「豊田市美術館」もあります。
坂茂さんによる有機的なデザインを体験できるので、気になる方はぜひ訪れてみてください。