
令和7年4月に東京都港区の赤坂にある「とらや赤坂店」に行ってきました。
建築家の内藤廣さんによる設計で、扇形の形状が作る奥行きと開放感が特徴的な街に開かれた店舗です。
建築の特徴と実際に訪れた際の記録を11枚の写真と併せて紹介していきます。
※この記事の内容は2025年4月時点のものとなります。
扇形の形状が作る奥行きと開放感が特徴的な街に開かれた店舗

所在地 : 東京都港区赤坂4-9-22
主要用途 : 店舗・茶寮
設計 : 内藤廣建築設計事務所
竣工 : 2018年8月
営業時間 : 9:00 〜 18:00
休業日 : 毎月6日
※詳細は公式サイトをご覧ください
勾配屋根による開放的で奥行きのある茶寮空間

3階の茶寮を見た様子。
建物が立つ敷地は扇形をしていて、その形状に沿うように建物の壁面がアーチを描いています。
壁面は連続した開口部となっていて、外の景色を取り込むような開かれた建築に。

3階の奥行きと開放感を作り出しているのは、高さのある天井。
屋根自体が45°の勾配を持った円錐形をしていて、建物内部に奥行きと開放感を作り出しています。

茶寮のカウンター席より外の景色を見た様子。
青山通りに面し、向かいには赤坂御用地を望む立地で、手前には桜を見ることができます。


3階は開放感のある茶寮になっていて、ゆったりとした空間で、和菓子やランチをいただくことができます。
私がいただいたのは赤坂 季節のうどん。旬の野菜を使った優しい味のうどんでした。
店舗空間にはディスプレイのように展示される和菓子たち

2階の階段踊り場から1階を見た様子。
内装にはヒノキが多く使用され、和の雰囲気を感じる空間になっています。

2階の店舗空間を見た様子。
ディスプレイのように置かれた、とらやの和菓子を購入することができます。
奥のとらやのロゴシンボルがある壁面は、黒い漆喰仕上げによるもので、左官職人の手仕事により丁寧に作られています。

2階と3階を繋ぐ螺旋階段を上から見た様子。
手すりや床材に使用された細い板材がリズミカルな印象の階段になっていました。

2階にはとらやの和菓子を販売する店舗が入っています。
その店舗空間では白いオリジナルの什器に、和菓子がディスプレイのように置かれています。
奥のとらやのロゴがある壁面は、職人による黒い漆喰仕上げで、格式高い印象的な壁面になっていました。
地下1階にはヒノキの組子で囲われたギャラリーが入る

地下1階のギャラリーを見た様子。
私が訪問した際は、とらや創立150周年に先立ち「とらや赤坂店ガイド」が行われていました。
シーズン毎に異なる展示が実施されているので、近くに訪れた際は立ち寄りたいところ。

ギャラリー内部の壁面を見た様子。
特徴的な壁はヒノキの組子によるもので、凹凸や陰影が印象的な壁面を作り出しています。


地下1階にはギャラリーが入っていて、時期によって異なる展示が行われています。
私が訪れた際は、赤坂店の歴史や建築を紹介するパネル展が行われていました。
内藤廣さん設計の建築の中には、朱書きの矩計図が置かれていて、その設計ディテールのこだわりを感じることができます。
アクセスマップ

以上で、内藤廣さん設計による「とらや赤坂店」を紹介しました。
とらや赤坂店は、扇形の敷地形状を活かした、開放的で奥行きのある街に開かれた店舗です。
とらやは全国に店舗や茶寮がありますが、その多くが内藤廣さん設計によるものだったりします。
2007年竣工の静岡のとらや工房から設計やデザイン監修に携わられているので、とらやに訪れた際は建築にも注目したいところ。
赤坂店は3階に茶寮があり、開放感のある空間でゆっくりと過ごすことができるので、とてもおすすめの施設です。
皆さんもぜひ訪れてみてください。