
令和7年4月に東京都豊島区の西池袋にある「自由学園明日館」に行ってきました。
建築家のフランク・ロイド・ライトさんによる設計で、水平線を強調したファサードが特徴的な学校施設です。
建築の特徴と実際に訪れた際の記録を15枚の写真と併せて紹介していきます。
※この記事の内容は2025年4月時点のものとなります。
水平線を強調したファサードが特徴的な学校施設

建築界の巨匠であるフランク・ロイド・ライトによる設計で誕生した自由学園明日館。
高さを抑えて水平線を強調した立面や、幾何学模様のあしらわれた建具、基壇部や敷石に用いられた大谷石などライト建築特有のデザインが見られる建築です。
所在地 : 東京都豊島区西池袋2-31-3
主要用途 : 学校
設計 : フランク・ロイド・ライト
営業時間 : 10:30 〜 16:00
休業日 : 月曜日
※詳細は公式サイトをご覧ください
前庭を囲むように水平に伸びるプレーリーハウス

前庭を囲むように水平に伸びるファサードデザインが特徴の建築。
プレーリーハウス(草原様式)とも呼ばれ、ライト建築特有の建築様式です。

南東側から建物を見た様子。
基壇部分や敷石に使用されている大谷石もライト建築の特徴の一つ。

幾何学模様があしらわれた建具デザイン。
窓や扉など建具の随所に使用されていて、装飾性をもたらしています。

エントランス部分を見た様子。
大谷石の基壇部分や建具の装飾が見て取れます。

1997年に国の重要文化財に指定された建築で、ライト建築特有のプレーリーハウス(草原様式)の特徴が見られる施設。
「軒高を抑え水平線を強調した立面」や「幾何学模様のあしらわれた建具」「基壇部分や敷石に使用された多くの大谷石」といった特徴が見られます。
前庭を挟んだ位置にある桜も綺麗で、落ち着いた雰囲気の環境にあります。
大きな窓を持つホールを中心とした空間構成

ホール全体を見た様子。
大きな開口部や壁画、ライトがデザインした六角椅子などが印象的な内部空間を作り出しています。

窓には木製の窓枠や桟を使用して、幾何学模様がデザインされています。
建設当時、工事費を抑えるためステンドグラスの代わりに用いられたそう。

室内側を見た様子。
内部にもライト建築特有の大谷石が用いられています。
2階部分はミニミュージアムになっていました。

一段下がったフロアからエントランスを見た様子。
床のレベルに変化を加えることで、さまざまな居場所がつくられていました。

会議室 Rm1921の内部空間を見た様子。
自由学園明日館での最初の入学式で使用された部屋だそう。

中心に位置するホールは南に面していて、大きな窓から差し込む光が居心地のいい場所で、床に写す幾何学模様の影が印象的な空間。
建築内部は、天井高の高いホール、低い廊下、少し高さのある会議室など高さをコントロールすることで、さまざまな空間が作られていました。
幾何学模様による装飾が特徴的な明るい食堂

食堂全体を見た様子。
ハイサイドライトや彫刻作品のような照明が内部空間を明るく照らしていました。

食堂の三方には、かつてバルコニーだった場所に増築された「小食堂」があります。
少し天井高さが抑えられ、落ち着いた雰囲気の空間となっていました。

正方形のテーブルと小さな椅子はライトの弟子である遠藤新氏によるデザインのもの。
実施設計と施工を担ったのが、遠藤新氏とされています。

彫刻作品のような照明。幾何学模様のデザインが特徴的です。


食堂は幾何学模様の窓や照明によって明るく照らされていて、開放感のある空間でした。
喫茶付き見学を利用すると、遠藤新さんデザインの家具で、コーヒーと焼き菓子をいただくことができます。
アクセスマップ

以上で、建築家のフランク・ロイド・ライトさん設計による「自由学園明日館」を紹介しました。
自由学園明日館は建築界の巨匠であるフランク・ロイド・ライト氏による設計で、ライト建築特有のプレーリーハウス(草原様式)を見ることができる貴重な建築です。
喫茶付き見学を利用すると、食堂でコーヒーと焼き菓子をいただくことができます。
とてもおすすめの施設なので、皆さんもぜひ訪れてみてください。