
令和7年3月に東京都新宿区の早稲田にある早稲田大学国際文学館(通称:村上春樹ライブラリー)に行ってきました。
建築家の隈研吾さんによる設計で、内外を貫通する木のトンネルが特徴的な大学施設です。
建築の特徴と実際に訪れた際の記録を14枚の写真と併せて紹介していきます。
※この記事の内容は2025年3月時点のものとなります。
村上春樹作品を体現する木のトンネル

村上春樹作品を体現する木のトンネルによるファサードが特徴的な建築。
この木のトンネルが貫通していて、内部の吹き抜け空間も作っています。
所在地 : 東京都新宿区西早稲田1丁目6 4号館
主要用途 : 大学
設計 : 隈研吾建築都市設計事務所
開館時間 : 10:00 〜 17:00
休館日 : 水曜日
※詳細は公式サイトをご覧ください
3次元のうねるような形状をしたスケスケの木の庇

木のトンネルは細い木の板で構成され、それぞれ隙間が空いているのでスケスケ。
うねるような3次元の形状をしていて、印象的な外観を形成しています。

元々は、早稲田大学キャンパスの4号館として使用されていた、ごく普通の鉄筋コンクリート構造のハコの建物。
その外壁を白く塗装し、木の庇によるトンネルを付加することで、新しいライブラリーとして生まれ変わっています。

村上春樹ライブラリーの奥に見えるのは、16世紀のイギリスの劇場を模して建てられた演劇博物館。設計は今井兼次さん。
村上春樹さんも在学中は通われていたそうです。

2021年10月に開館した村上春樹ライブラリーですが、木の庇は特に劣化した様子はありませんでした。
それもそのはず、使用されている木は「アコヤ」という木材で、松を酢酸でエチル化処理し、耐腐性能を高めたもの。
地上であれば50年もの耐久性が保証されています。

南側から見ると地下1階に馴染むよう木の庇が設けられています。
波打つような形状が特徴的な外観。

対照的に東側から見ると、跳ね上がったようなダイナミックな印象。

木の庇の下にはテラスのような外部空間があります。
木の庇には隙間があるため、外側が透けて見えて雰囲気が伝わるのもいいところ。

特徴的なのは、建物の外周に巡らされた木の庇。
木のトンネルと呼称され、印象的なファサードを構成しています。
地下1階部分のテラス空間もとてもいい空間でした。
内外を貫く木のトンネルによる階段本棚

内部の木のトンネルは、階段本棚を構成。
地下1階から2階までの空間を緩やかに繋いでいます。

木のトンネルは、村上春樹作品に登場する「時空を超える扉」を表現しているそう。

階段本棚の右側には、国内外の作家が選定した書籍。
左側には、村上春樹さんの著書や関連作品が並んでいます。

館内には村上春樹さんの作品が数多く置かれていて、くつろぎながら読むことができるスペースもたくさんありました。

内部の木のトンネルは階段本棚を構成していて、印象的な内部空間を作っていました。
また、館内には、村上春樹さんから寄贈された数多くの作品があります。
村上春樹作品を読むことで世界観に浸ることができ、空間体験もできるとても魅力的なライブラリー。
地下1階には学生が運営するカフェ「橙子猫」

地下1階にはカフェ「橙子猫」
学生が主体となって運営しているそうです。

テラス空間でコーヒーをいただきました。
天気のいい日には木の庇が木漏れ日のような空間を作ってくれます。

館内には村上春樹さんの作品がたくさんあり、読んでいる学生さんもたくさんいました。
私も好きな作家さんなので、次は読みに訪れたいと思いました。
テラスだけでなく、さまざまな居心地のいい空間がありました。
アクセスマップ

以上で、建築家の隈研吾さん設計による「村上春樹ライブラリー」を紹介しました。
村上春樹ライブラリーは、村上春樹さんが自身の作品を寄贈したのが発端で改修された施設。
内外を貫く「木のトンネル」が印象的なファサードと内部空間を作っています。
館内では、村上さんの書籍を読むこともでき、カフェも利用することができるので、皆さんもぜひ訪れてみてください。