【成蹊大学 情報図書館】アトリウム空間に浮かぶ「プラネット」が特徴的な大学内の図書館。

東京・吉祥寺にある成蹊大学のキャンパス内に建つ「情報図書館」

設計を手掛けたのは、建築家の坂茂さんで「明るく、美しく、温かい建物」をコンセプトに、2006年に竣工しました。

ディスカッションを含めた多様な学習スタイルを実現する、新しい図書館のあり方を目指した建築で、5層の吹き抜け空間を持つアトリウム空間や「プラネット」と呼ばれるグループ閲覧室が、学生が利用しやすい環境を作り出しています。


キャンパスの景観に調和する外観

成蹊大学のキャンパス内にある建築で、外壁は学園の本館と同じ「レンガ調タイル」が使用され、大学キャンパスの景観と調和した外観デザインとなっています。

また、タイル間の開口部がスリットのようなデザインとなり、キャンパスの広がりを感じる水平性を強調したファサードとなっています。


立面は、黄金比の長方形が2つ並べられた「左右対称」の構成で、3分割された中央部分がガラス張りの大きなアトリウム空間となっています。

けんちくみならい
けんちくみならい

成蹊大学のキャンパスの入口近くに佇む、キャンパスの景観と調和した図書館。

中央のガラスから覗くプラネットが印象的で、夜になると内部のプラネットが宙に浮かび上がるようなファサードデザインとなっています。


5層の吹き抜けをもつアトリウム空間

エントランスを入ると、5層の大きな吹き抜け空間が広がり、明るく開放的な内部空間となっています。

その吹き抜け空間を取り囲むように閲覧スペースが設けられ、学生が滞在できる様々な居場所が作り出されています。


吹き抜け空間には、プラネットと呼ばれる「グループ閲覧室」や「通路」が複雑さを持って設けられ、上下の繋がりや視覚的な面白さを感じることができます。

けんちくみならい
けんちくみならい

5層の大きな吹き抜け空間は、まさに圧巻の空間でした。

各階の吹き抜け空間周囲には、学生が気軽に利用できる、明るく開放的な居場所が数多く設けられています。


大きさや景色の異なるプラネットたち

プラネット(PLANET)は惑星という意味ですが、このプラネットは「プランの創造(PLAN)」と「情報の活用(NET)」の2つの意味が込められたグループ閲覧室となっています。

大きさや景色の異なる、球形の5つのプラネットは、人が集まり、情報を交換し、議論する場所として利用されています。


また、地面から伸びるユニークな形状は、キャンパス内にある「枝葉を広げたケヤキ」を思わせるデザインとなっています。

けんちくみならい
けんちくみならい

高さや位置も違う5つの「プラネット」からは、見える景色も異なり、学生の創造性を育むような場所が作り出されています。

外の景色や別のプラネットが視界に入るなど、プラネット毎に変わる景色が非常に印象的でした。


静謐な書架エリア

アトリウム空間の左右に設けられた書架エリアは、アトリウム空間とは対照的に、落ち着いた雰囲気の静かな空間となっています。

平面の構成としては、中心部に書架が配置され、周囲に「クリスタルキャレル」と呼ばれる個室閲覧室が設けられています。


ガラスに覆われた空間の「クリスタルキャレル」では、キャンパスの景色を見ながら集中できる場所が作り出されています。

けんちくみならい
けんちくみならい

開放的なアトリウム空間と対照的な書架エリア。

周囲に設けられた「クリスタルキャレル」からは、自然溢れるキャンパス内の景色を望むことができ、学生が集中できる場所が作られていました。


まとめ

東京・吉祥寺にある成蹊大学のキャンパス内にある「情報図書館」

成蹊学園出身の坂茂さんが母校のために設計された、当時としては珍しい「しゃべれる図書館」を目指した大学の図書館です。


ダイナミックな5層のアトリウム空間には、惑星のように浮かぶ「プラネット」が設けられ、吹き抜け周囲には学生が気軽に利用できるまざまな居場所が作られています。

けんちくみならい
けんちくみならい

建築家の坂茂さんによる名建築「成蹊大学 情報図書館」

外観は周囲の景観と調和するデザインですが、内部は宙に浮くプラネットが近未来的なデザインの図書館となっています。

大学の学修施設のため、一般公開および自由見学は行なっておりません。

学外の方の見学は、一定の条件を満たす場合に受付されています。詳細は公式サイトをご覧ください。


photo by yuma noji