隈研吾さんといえば木組みの建築が有名ですが、
今回紹介するのは、水/ガラスという作品名を持つ「ATAMI海峯楼」
竣工当初は、企業のゲストハウスとして利用されていましたが、2010年から4室限定のスモールラグジュアリーリゾートホテルとなっています。
いつか行ってみたいと思っていましたが、ようやく宿泊することができたのでご紹介したいと思います。
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この建築の一番の特徴は、最上階にあるウォーターバルコニーと言われる、水に浮くようなガラスのバルコニー。
普段は主役になることのない、水・ガラス・ルーバーという繊細な素材が組み合わされることによって、圧巻の空間が作り出されています。
熱海の海と光が建築を包み「境界の曖昧さ」を設計思想の中心に置いた建築です。
水面やガラスが光を拡散して、バルコニー内部は美しいアートのような空間になっています。
水盤と海が続くインフィニティバルコニーで、熱海の景色が一望できる絶景の空間。
これを見るためだけに宿泊する価値はあると思いました。

前述のウォーターバルコニーだけでなく、入口のブリッジや階段もガラスで構成され、階段はステップだけでなく、通路との間仕切りもガラスになっています。

また、地上と地下を結ぶ屋外の吹き抜け空間には、水が流れる滝があり、地下の水盤と連続しています。
ホテルの内部では、どこにいても水とガラスの存在感を感じることができました。
そのためか、明るく開放的な空間だったことをとても印象的に覚えています。

チェックイン時に案内されるのが、このラウンジ空間。建築の内部ではなく、外の景色に自然と視線が誘導されます。
自然が主役に考えられた建築だということをより感じることのできる空間です。
隈研吾さんの言葉である「負ける建築」という意味が体感できる建築。
太平洋に面した崖上に立つ建築のため、熱海の自然豊かな景色を一望することができます。
食事もこの空間でいただきましたが、夜はライトアップされた夜景が絶景。

隣接する敷地には「旧日向家熱海別邸」という、上屋は渡辺仁さん、地下空間をブルーノ・タウトさんが設計した建物があります。
日本に唯一存在するタウトの設計した建築です。
この建築の隣地にはブルーノ・タウトが設計した「日向邸」(1936年)がたっており、タウトはそこで〈建築とは形態ではなく自然との関係性である〉という日本建築の原理を実践しようとした。この建築はタウトへのオマージュでもあり、タウトによって日本人が再発見した日本建築の伝統を、現代によみがえらせる試みでもある。
隈研吾建築都市設計事務所
隈研吾さんは、設計する上でこの建築も参考にされています。
崖上に立つ建築のため、外から見られる建築ではなく、内から外を眺める建築としてデザインされています。
ATAMI海峯楼に宿泊した際はこの建築を知らず、後日、見学予約をして伺いました。
外の景色を取り入れる様々な工夫や、タウトのデザインエッセンスを随所に見ることができます。
真隣にあるので、ATAMI海峯楼の宿泊に併せて伺うのがおすすめ。

木組みで有名な隈研吾さんですが、水・ガラス・ルーバーという繊細な素材を組み合わせた、ウォーターバルコニーが圧巻の建築。
隣接するブルーノタウトの建築をオマージュに、外から見る建築ではなく、内から外を眺める建築として設計されています。
私が宿泊したのは、爽和という比較的安価な和室でしたが、一番高い部屋に宿泊するとウォーターバルコニーで食事ができるそう。
いつか宿泊できるようになりたい。。と思いながら、この記事を書き綴っています。(応援いただける方は、ぜひSNSのフォローをお願いします!)
宿泊した際の建築VlogをYouTubeで公開予定です。よければご覧ください。
