千葉・木更津にある農・食・自然の循環を体験することができる、サステナブルファーム&パークのKURKKU FIELDS内にある「地中図書館」
設計は建築家の中村拓志さんで「晴れた日には畑を耕し、雨の日には読書をする」ための、やすらかな居場所を目指して作られました。
広大な敷地の中にひっそりと佇む、大地と一体化するようにできた、洞窟のようなライブラリーとなっています。

東京ドーム約6個分の広さを持つ、KURKKU FIELDSの一角に突如現れる「地中図書館」
かつては建設残土で埋め立てられた土地を、谷地へ戻すことをテーマに、植物や生物が建築と共存するような、地中にひっそりと存在するライブラリーになっています。


森のように生い茂る植物と、スラブの小口まで垂れ下がる芝が、地形と一体化するような建築を作り出しています。
近くに訪れるまで、存在していることを感じさせない大地と一体化した建築。
建てられてから年数が経つことで、植えられた植物だけでなく、自生した植物が混ざり、まるで自然物のような建築になっていました。

ライブラリー内部には、柱や梁といった建築的な要素がなく、キャンティレバーの方持ちスラブによって、人工的な建築物としての要素を感じさせない空間が作り出されています。
また、天井や壁、床は自然素材の「土」で滑らかに仕上げられることで、実在する洞窟のような雰囲気を感じさせます。


同様の理由で、天井に設けられる一般的な照明も排除されていて、本棚に設けられた「NIGHT BOOK」という本の形状をした照明が、内部空間を静かに照らしています。
空調や配線も本棚の奥に隠され、人工的な要素が一切視界に入らない工夫が施されていました。
自然にある洞窟のような場所で、読書に没入できる空間が作り出されています。



ライブラリー内部には、本棚の隙間にさまざまな居場所が設けれていて、書斎のような、一人で集中できるような「書斎ニッチ」や、
本棚に囲われた「ベンチニッチ」、ピンホールカメラ状の天窓が設けられた「ピンホールニッチ」などがあります。
思い思いの時間を過ごすことのできる場所が、本棚の間に設けられていました。
一部のスペースには、天窓に自然を感じることができる仕掛けが施されていて、それらは見つけた人だけの楽しみとなっています。

ライブラリーの奥に設けられた「読み聞かせホール」は、未来のために育む場がイメージして作られ、部材同士が互いに支え合う「レシプロカル構造」が用いられています。
本棚の縦桟が円を描くように上部に伸び、頂部のトップライトからは、青空を望むことができます。

本のコリドーに置かれるスツールも、このレシプロカル構造によるもので、5本の脚で支え合う構造になっています。
支え合うことが必要な社会を、空間的に感じることができる「レシプロカル構造」によるホール。
構造とデザインが融合した、唯一無二の空間がそこにありました。

千葉・木更津にあるサステナブルファーム&パークのKURKKU FIELDS内にある「地中図書館」
農業、食、アートを軸にした自然豊かなフィールドである、KURKKU FIELDSならではのライブラリー。
地形と一体化した洞窟のような空間は、大地の中で読書をするような体験をすることができる、唯一無二の場所になっています。
まさに洞窟のようなライブラリー。
自然の中で本を読むような、普通の図書館では体験できない空間が作り出されていました。
この建築を見に行くだけでも、KURKKU FIELDSに行く価値がある、他に類を見ない建築になっています。
利用には、「メンバーシップ登録」と「事前予約」が必要となっています。詳細は公式サイトをご覧ください。

