東京・西早稲田にある、宮脇檀(みやわきまゆみ)さんによる設計の「松川ボックス」で運営されているギャラリー「THE MIRROR」
宮脇檀さんは、住宅設計で著名な建築家で、90年代に多くの建築を残されており
松川ボックスのほか、東京・世田谷区にある「ブルーボックス」など、ボックスシリーズが有名です。
そんなボックスシリーズを代表するこの名建築が、期間限定でギャラリーとして運営され、一般公開されています。

松川ボックスは、3棟からなる建築で、ギャラリーとして見ることができるのは、そのうちの1棟の「A棟」と呼ばれている建物です。
写真の向かって左がA棟、奥がB棟、右がD棟となっています。
このうちA棟は、建築家の安藤忠雄さんが設計した「住吉の長屋」と同時期に、日本建築学会賞を受賞した名作住宅。

内部に入ると明るく開放的で、無骨なコンクリートの外観とは対照的に、柔らかい印象の空間となっています。
今回の展示では、画家・有元利夫さんの「版画作品」を中心に見ることができ、名建築とアートの織りなす空間を楽しむことができます。

普段は、アートディレクター・清水敏男さんのオフィス(TOSHIO SHIMIZU ART OFFICE)となっていますが
期間限定でギャラリーとして運営され、一般公開されています。
西早稲田の閑静な住宅街に佇む建築。
「朱色の門」と「コンクリートの無骨さ」が目を惹く外観となっていますが、
内部は、吹き抜け空間が明るく開放的な印象で、建築とアートが融合した空間となっていました。

この建築の一番の特徴は、「鉄筋コンクリート造」と「木造」が融合した混構造になっていることで、
コンクリートの箱に、木造の架構が組み込まれることで、和室やキッチン、子供部屋などの空間を作り出しています。

木造部分は、金物を使用しない伝統的な「木組み」によって構成されていて
木材が直交する部分では、美しいディテールを見ることができます。
内部はコンクリートの住宅であることを感じさせない空間が広がっていて、木の暖かい雰囲気が印象的でした。
コンクリートの箱に、木製家具が嵌め込まれているような印象で、コンクリートと木の見事な調和を見ることができます。

この建築のカラーリングは、建主の松川さんが所有する「版画作品」を着想としていて、
外部にある塀は「紅色」

和室は「青色」

そして、床は「グレー」で統一されています。
また、撮影はできませんでしたが、ユーティリティー(キッチン)は「黄色」になっています。
和室の青色は、襖だけでなく「畳の縁」も深い青色となっていて、細部にもこだわりが見られます。
また、内部だけでなく、外部もコンクリートの「グレー」、門の「紅色」、D棟の玄関扉の「青色」といったカラーリングとなっていて、
それが意図されたものかは分かりませんが、内外が連続した色合いになっている印象を受けました。

スリットのように設けられた天窓からは、明るい光が室内に差し込み
傾斜した壁面や、木造部分に反射することで、柔らかい印象の空間を作り出しています。

また、天窓に嵌め込まれたガラスは、波打つガラスとなっていて
優しく拡散された光が陰影を作らず、作品を鑑賞するための明るい空間を創出しています。
よく目を凝らしてみると、よくある磨りガラスではなく、形状自体が波を打つガラスとなっていました。
それが、室内全体に優しい雰囲気を作り出し、いつまでも滞在していたい空間となっています。

建築家・宮脇檀さんが設計した名作住宅である「松川ボックス」が、期間限定で一般公開されているギャラリー。
「鉄筋コンクリート造」と「木造」の見事な融合を見ることができる、混構造の建築となっています。
ギャラリーの名称「THE MIRROR」は、シェイクスピアの言葉
「芝居すなわち芸術とはこの世のありようを鏡に映し出すことだ」が由来になっているそう。

ギャラリー内部は、天窓から光が降り注ぐ、明るく柔らかい印象の空間となっていて、
豊かな建築空間でアート作品を楽しむことができます。
現在開催中の「松川ボックス特別公開展」は、4月18日から5月2日まで、入場無料で一般公開されています。
建築家・宮脇檀さんの名作住宅「松川ボックス」が見られる、貴重な機会。
公開されている期間は長くありませんが、この機会にぜひ訪れてみてください。
予約制ですが、予約がなくても入場が可能となっています。詳細は公式サイトをご覧ください。

