東京・上野にある荘厳な外観を持つ「国立国会図書館 国際子ども図書館」
設計には世界的にも有名な建築家の安藤忠雄さんと、日本を代表する組織設計事務所の日建設計が携わっています。
今回は保存と再生によって、現代的な図書館に生まれ変わった建築を紹介していきます。

国際子ども図書館は1906年に帝国図書館として建てられた、ルネサンス様式の建築。
その建築が安藤忠雄さんによって、建物の持つ歴史を残しながら現代的な建築へと再生されています。
この荘厳な見た目の建築が、安藤忠雄さんによって2002年5月にリニューアル。
外観は歴史を感じる、煉瓦造によるルネサンス様式の建築ですが、内部や中庭から見ると現代的な印象の建築になっています。

この建築の一番の特徴は、レンガ造の洋風建築に、現代的な2つのガラスボックスが挿入されていることです。
1階のガラスボックスは正面ファサードを貫くように15°の角度をつけて設けられ、エントランスとカフェの空間を創出しています。

また、3階部分に挿入されたガラスボックスは、およそ10mの高さを持つ巨大なボリュームで、
中庭から見るファサードデザインにも現代的な印象を与えています。
実際訪れてみると、違和感なく2つのガラスボックスが存在しているように感じました。
安藤忠雄さんは、レンガ造とガラスによる対立的な空間が、子どもの将来の可能性を作り出し、建築の寿命を延命すると考えています。

3階に増築されたガラスボックスは、ラウンジとして計画されています。
カーテン越しに差し込む光が、心地のいいラウンジ空間を作り出しています。

また、ロの字の平面計画の中心には、中庭が設けられ、テラスとして利用できる空間になっています。
図書館としての内部空間はもちろん、その外部に設けられたラウンジやテラスがとても魅力的な空間となっていました。
天気のいい日は、中庭で過ごすととても気持ちがいいです。

エントランスホールに隣接した位置には、3階建ての建物を繋ぐメインの大階段があります。
この階段は、印象的なレリーフの手すりを覆うように、ガラスが設けられた美しい階段となっています。

対照的に、増築されたガラスボックスの先に設けられた階段は、現代的なガラスの階段になっています。
大階段は創建当時の状態が維持されていて、とても美しい吹き抜けの空間となっています。
ガラスの手すりは安全性を考慮して設けられているそうですが、レリーフをより引き立てている印象を受けました。

知る人ぞ知る、上野公園の奥に佇む、子どものための図書館。
煉瓦造の荘厳なルネサンス様式の帝国図書館が、安藤忠雄さんによって、現代的な建築へと生まれ変わっています。
保存と再生によって残された「化粧煉瓦」や「木製サッシ」など、創建当時の状態も見ることができます。
安藤忠雄さんによって、保存・再生されたとても貴重な建築。
ガラスボックスに設けられたカフェもあり、魅力的な空間でゆっくりと過ごすこともできます。
訪問した際の建築VlogをYouTubeで公開予定。よければご覧ください。

