神奈川県・葉山の丘上に佇む、有形文化財にもなっている「加地邸」
1928年に竣工した邸宅が、滞在型のホテルにリノベーションされ、現在は宿泊のほか、館内ツアーが定期的に開催されています。
今回、Otonamiさんが主催されている、館内ツアーに参加することができたので、この建築をご紹介していきます。

設計したのは、フランク・ロイド・ライトの弟子である遠藤新さん。
ライトは近代建築の三大巨匠のひとりとされ、水平に伸びるプレーリースタイル(草原様式)を建築の特徴としています。
加地邸も水平方向の広がりを感じる計画になっているほか、ライトが設計された帝国ホテルのデザインが随所に見られます。
小さな帝国ホテルと言わるほど、ライトのデザインが随所に見られるのがとても印象的でした。
特に大谷石を使用した柱のデザインは、かなり似た雰囲気になっています。

この建築では、遠藤新さんの理念である「全一」という建築哲学が見られるのも特徴です。
全一とは、建築だけでなく、インテリアも合わせて一つの建築という考えで、照明や椅子などの家具も全て遠藤新さんのデザインになっています。

ライトの建築でもよく見られる、六角形のデザインですが、「蜂の巣」や「雪の結晶」など自然界でも見られる形状からきています。
六角形は自然界で安定した構造であることから、「調和」や「安定」を感じさせるデザインとされています。
遠藤新さんが、インテリアも全てデザインされているため、空間全体が一体的な印象を受けました。
形状や色も調和しているため、とても魅力的な建築になっています。

この建築では、葉山の景観を取り入れる仕掛けがされていて
高低差を利用した視線誘導が巧みに用いられることで、自然と外の景色に目がいくよう設計されています。

また、丘の上にある立地のため、さまざまな場所から山や海を一望できるのが特徴です。
館内を巡っていても、自然と外の景色が視界に入ってくるのが体感できました。
大谷石の柱に囲われた、見晴らしのいいテラスもとても印象的で、さまざまな場所で葉山の自然を感じることができます。

ドラマ・岸辺露伴は動かないやスピッツのMV、ユニクロのCMの撮影地としても使用されている加地邸。
この椅子には、女優の綾瀬はるかさんが座られたそう。
名建築はロケ地として使用されることがよくありますが、綾瀬はるかさんは別格だなと思いました。
記念に座らせていただきましたが、座り心地のいいソファでした。。

フランク・ロイド・ライトのデザインエッセンスが、随所にみられる葉山の邸宅。
設計者の遠藤新さんによる、「全一」の建築哲学も見られ、葉山の自然豊かな景観を活かした建築になっています。
リノベーションされたことにより、2020年から宿泊や館内ツアーが定期的に開催されています。
ライトの建築を彷彿とさせるデザインや、遠藤新さんの思想を知ることができる建築でした。
Otonamiさんの館内ツアーでは、焼き菓子が付いたティータイムもあるので、興味がある方はぜひ。
訪問した際の建築VlogをYouTubeで公開予定です。よければご覧ください。
