【土浦亀城邸】戦前モダニズムを代表する、白い箱型の外観を持つ名作住宅。

東京・南青山にある、ポーラ青山ビルディングの敷地内にある「土浦亀城邸」

建築家の土浦亀城氏・信子氏の自邸として、1935年に東京の品川区上大崎に建設された、木造乾式工法による名作住宅です。

土浦亀城邸は、1995年に東京都指定有形文化財に指定、1999年にDOCOMOMO Japan の最初の20選に選定されている、日本を代表するモダニズム建築。

2018年6月より保存プロジェクトが開始し、東京工業大学名誉教授の安田幸一さんを初めとした、多くの建築家と歴史研究者が建物調査などに関わり、復原・移築されています。

その後、2024年9月からピーオーリアルエステート社が、住宅遺産トラストの協力のもと、当施設を一般公開されています。


白い箱型の外観が特徴的な建築

外観は現代建築の基礎を作ったとされる初期の「バウハウス」と同様の白い箱型の見た目になっていて、

当時欧米で流行していた、国際様式(インターナショナルスタイル)によるファサードデザインになっています。


現在の土浦亀城邸は高層ビルの足下にありますが、これは高低差のある地形

当時の敷地形状に似ていることもあり、この場所が選定されています。

けんちくみならい
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外壁には、当時欧州で主流だった乾式工法(水を使わない方法)が採用され、縦2尺・横3尺のパネルが使用されているのも特徴です。

この2尺×3尺(606mm×909mm)のモジュールが、外観や内部空間のデザインにリズムを与え、近代的な建築を作り出しています。


高低差を活かした立体的な空間構成

土浦亀城邸は地下1階、地上2階の建築で、内部空間は5つの床レベルを有し、それらがスキップフロアで構成される、立体的な空間構成になっています。

地形の高低差を活かし、外部と続くように半階ずらした構成とすることで、内外の連続性が作り出されています。


また、各諸室は廊下ではなく階段で繋がることで、緩やかに空間が区切られ、プライバシーが確保されているのも特徴の一つです。

けんちくみならい
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土浦亀城氏はフランク・ロイド・ライトに師事していたこともあり、ライトの建築の影響を大きく受けています。

ライト建築の特徴である装飾性はないものの「吹き抜け」や「スキップフロア」など、ダイナミックな空間構成を見ることができます。


復原された美しいインテリアの数々

内部空間は、淡いグレーを基調に、鮮やかな黄色赤色をアクセントカラーにした色合いで構成されていて

落ち着いた雰囲気を持つ、温かみのある空間になっています。


家具照明も土浦亀城氏によるデザインのもので、これらの家具についても竣工当時の写真などを元に復原されています。

中でもスチールパイプによる家具は、バウハウスデザインの影響を大きく受けています。


また、カーテンラグマットについては、色だけでなく「糸」や「編み方」まで調査され、生地や質感までもが再現されているのが特徴です。

けんちくみならい
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壁や床など、改修によって塗り重ねられていた色は、擦り出しという手法によって、竣工当時の色を確認したうえで忠実に再現されています。

また、鋼製の家具やカーテン、ラグマットに関しても、当時の写真や、前所有者へのヒアリングから調査されるなど、文化財としての価値を尊重した復原がされています。


近代的で快適な各諸室

書斎
寝室
キッチン
女中室
浴室
ボイラー室

各部屋には大小さまざまな開口部が設けられ、北側の地下に設けられた「浴室」や「ボイラー室」にも天窓が設けられるなど、快適な空間設計がされています。

また、直接見ることはできませんが、天井裏にはパネルヒーティングが設置されているなど、当時の都市住宅として、最先端の設備が導入されているのも特徴です。

けんちくみならい
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当時軽視されていた「浴室」や「女中室」においても、開口部が設けられているなど

現代に置き換えても住みやすさを感じる、快適な住宅として設計されているのが印象的でした。


機能美が見られる様々なディテール

回転式の電話台
収納式のまな板
Tの刻印が入った食器
設計された収納
造り付けの郵便受け
美しいスチールサッシ

土浦亀城邸は、土浦亀城氏と信子氏の共同設計によるもので、信子氏の家事労働の負担軽減などに対する、様々なアイデアやこだわりを見ることができます。

台所に見られる「回転式の電話台」や「収納式のまな板」など、合理性快適性を感じられる設計が随所にされています。

けんちくみならい
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土浦亀城邸では、土浦夫妻が使用されていた、生活用品も保存されていて見ることができます。

「グレーのライン」と「黄色のT」の入ったお皿など、インテリアと調和するオーダーメイドの食器がとても印象的でした。


まとめ

東京・南青山にあるポーラ青山ビルディングの敷地内に建つ「土浦亀城邸」

白い箱型の外観を持つ、日本を代表するモダニズム建築が復原・移築され、現在、一般公開されています。


外観はいつでも見れるほか、隣接するポーラ青山ビルディングの2階からは、内部の雰囲気を感じることができます。

1階にはカフェ「CAMPAGNA」があり、一息つくこともできるので、南青山に訪れた際は立ち寄ってみてください。


2025年に刊行された書籍「土浦亀城邸」では、土浦亀城邸の復原・移築について詳しく知ることができます。

実際に建築を訪れたうえで拝読しましたが、歴史背景について触れることで、この建築の魅力をさらに知ることができました。

けんちくみならい
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日本のモダニズム建築を代表する土浦亀城邸。

DOCOMOMO Japan(日本におけるモダン・ムーブメントの建築)の最初の20選にも選定されている貴重な建築が、復原・移築され実際に見ることができます。

月に2回、見学会が開催されているので、建築に興味のある方はぜひ訪れてみてください。

詳細は公式サイトをご覧ください。


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